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『ゲーデル、エッシャー、バッハ』あるいは『みすてぃっく・あい』

"「この手紙を発見する前は、一冊の本がどうして無限であり得るのか、疑問に思っていました。循環する、円環的な本いがいのあり方を思いつかなかったのです。最後のページが最初のページと同一で、限りなく接続する可能性を持った本です。わたしはまた、『千…

「ユートピアの臨界点」としての『ハーモニー』

SF

伊藤計劃著『虐殺器官』に"戦闘前に行われるカウンセリングと脳医学的処置によって、ぼくらは自分の感情や倫理を戦闘用にコンフィグする。そうすることでぼくたちは、任務と自分の倫理を器用に切り離すことができる。オーウェルなら二重思考(ダブルシンク)…

なぜトァンはミァハを撃ったのか ‐ 『ハーモニー』試論 ‐

『ハーモニー』で全人類のハーモニクスが達成される直前に、なぜトァンはミァハを殺害したのだろうか。ハーモニクスを間近にひかえた状況で行動の意味は乏しく、また、ハーモニクスが達成されれば個人そのものが無化される。本稿では、『ハーモニー』全体を…

劇場版『ハーモニー』レビュー

(本稿は劇場版『ハーモニー』を鑑賞した筆者が、映画としては最悪、百合としては最高という二心に分裂した苦悩を反映してふたりの女子高生が対話する形式で書かれています。何卒ご了承ください) ふたりの女子高生が映画館で集合した。劇場版『ハーモニー』…

『となりのロボット』の時間と他者性

『となりのロボット』は昨年冬に発売されたロボットを題材とした百合マンガだ。描写とロボットへの洞察の両面が優れていて、『SFマガジン』2015年10月号に収録の「伊藤計劃読者に勧める「次の10作」ガイド」【コミック編】(V林田)にも「「人間とロボットの…

『ファンタジスタドール・イヴ』と『未来のイヴ』の対照および『ファンタジスタドール』再論

野崎まど著『ファンタジスタドール・イヴ』(早川書房、2013年)はアニメ『ファンタジスタドール』(斎藤久監督、フッズエンタテインメント制作、2013年)の前日譚だ。内容は女性に幻滅した科学者が、それでも女性を欲し、志を同じくする友人とともに人造の…